心や身体の状態、見えてますか?
IT技術の進歩により、ネットワーク経由で様々な情報が日常的にやり取りされています。しかし、自分自身の内面にある情報は、いまだ十分に取り扱われず、人々は主観的な感覚だけを頼りに仕事や生活を行っているのが現状です。健康意識が高い方でも、歩数や運動量、心拍数などの表面的な数値の確認や、統計モデルに基づいた睡眠の質の計測に留まっています。
弊社は、心身の状態を常時AIで評価し、リアルタイムに把握できる新しいソリューションとして、Safe‐W®を開発しました。日々の活動の中で、自分の心身や集中状態の変動を捉えることで、行動の改善や成果の質向上、不注意事故の回避など、さまざまな分野での活用が期待できます。さらに、健康維持の観点からも、定期的な健康診断と同様に、日々の動的な状態評価は重要な価値をもたらすものと考えています。
リアルタイム集中状態計測とは
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心身や集中の状態
IoTの普及やコロナ禍を経て、AGIの時代が到来する中、今後これまで以上に求められるのは人間の能力強化とパフォーマンスの改善です。同時に、メンタルケアや健康資源の配慮も不可欠となっています。
失われた30年に終止符を打つためには、単に労働時間(量)の見直しだけではなく、仕事の質の向上が求められます。認知リソースを適切に管理し、メリハリを付けることが、生産性の向上や高品質な成果の実現、さらには脳疲労やストレスの軽減につながります。そのためには、心身や集中の状態を客観的に計測し、見える化する仕組みが必須になります。 -
心身状態を深層学習で分析
利用者の心拍数から抽出される特徴を深層学習で解析することにより、心身状態を定量的に評価します。Safe‐W®は、教師データを必要とせず、心拍数を収集しながら日々継続学習を行うことで、健康状態、気候、仕事・生活環境の変化に柔軟に追従し、利用者ごとのモデルを構築します。
脳波を用いたリラックスや集中状態の計測がよく知られていますが、脳波計測は電気的なノイズに弱く、計測中は安静状態であることが前提となります。一方、心拍数は日常生活のあらゆる条件下で計測可能なため、実用性が非常に高いです。さらに、Safe‐W®はリアルタイムでの状態分析評価も実現しています。 -
集中状態を計測する効果
作業者の見守りサービスは、熱中症対策や転倒・意識喪失、危険な場所への立ち入りなどの異常検知や事故防止を目的としたものが幾つかあります。近年では、Well-beingや健康経営といった、従業員の健全な状態や健康資源の充実を目指す取り組みも広がっています。
Safe-W®は心身状態を測定することで不調やストレス、体調の変化を評価できるだけでなく、より良い状態を維持するために『集中状態』の計測に特に注力しています。これは、問題が起きた時や、悪い兆候が現れた段階ではなく、好調な状態を継続させることで不調や事故を未然に防ぎ、仕事の質やパフォーマンスの向上による利益をもたらすためです。また、費用対効果の高い改善が見込めるだけでなく、長期的な健康ケアにもつながるメリットが期待できます。健康は失われてからでは取り戻すのが困難であることを留意すべきです。 -
作業現場での検証
一例として、重機の組み立て作業現場で検証した結果を示します。歩き回りながらの作業でも計測できていることが分かります。また、ベテラン作業員の方は、高い集中密度を維持していることが確認されました。集中切れは必ず発生しますが、当人は直ぐには気付くことができず、不注意によるミスや事故が起こるリスクが高まります。
心拍数を用いた心身状態の計測は、その名の通り“心”と“身体”の両面を評価することになります。デスクワークでは身体を動かす機会が少ないため、脳やメンタルの状態が集中状態を左右しやすい一方、フィールドワークでは身体の動きも含めた総合的な状態評価となり、比較的集中が安定する傾向があります。また、デスクワークで集中時間が細切れになりやすい原因の一つとして、マルチタスクによる影響も考えられます。 -
エッジコンピューティングAI
Safe-W®はスマートウォッチやスマートフォン、タブレット上でデータの保存とAI処理を行うため、クラウドに依存せず、インターネット環境の有無に左右されずどこでも利用できます。デバイスの性能を活用し、クラウド利用のコストを抑えることができます。さらに、生体データを外部に送信する必要がないため、プライバシーを完全に保護できる点も大きな特徴です。
使い方は極めてシンプルで、装着と充電を繰り返すだけです。充電中に自動的に深層学習が実行される仕組み(充電中の学習に関する特許を申請済)によって、ユーザーは常に最新のモデルで計測を行えます。リアルタイムでの集中や心身状態の評価結果は、スマートウォッチの画面で直接確認したり、通知を受け取ることで把握することが可能です。
スマートウォッチ単体で機能するため、希望者や重要な役割、大変な業務を担う方に対して、部分的な導入が可能です。また、少人数単位で、比較的低コストなBLE心拍計とSafe-W®アプリをインストールしたタブレット(またはスマートフォン、ゲートウェイ)を用いて、機能を限定したシステムを構成することもできます。
具体的な機能例
- ユーザへのリアルタイム分析フィードバック
- ネットワーク連携による機能の拡張
- 集中や心身状態と関連する情報記録

ユーザへのリアルタイム分析フィードバック
- 集中切れ通知
- 集中状態の見える化
- 心身状態の見える化
利用者が自覚しにくい集中の低下を、振動通知によりリアルタイムでお知らせします。用途や現場に応じて、この通知の活用法は多様です。たとえば、フィールドワークでは不注意による事故やミスを未然に防ぐ警告として、デスクワークでは認知リソースの回復を促す行動のきっかけとして機能します。これにより、利用者は集中切れの際に適切な対応を取ることが可能です。従来のポモドーロ法(25分集中、5分休憩)と比べ、実際の計測データに基づくフィードバックは、より効果的な休憩タイミングの提案を実現します。
また、1日の集中状態の推移や、1ヶ月間の変化を振り返ることができるため、利用者は自身のパフォーマンスや心身状態の傾向を把握し、さらなる改善に役立てることができます。

ネットワーク連携による機能の拡張
- 温湿度センサによるヒートマップ
- 温湿度センサビーコンによる位置検出
- ゲートウェイを介したデータのクラウド送信
もともと作業者の見守りを目的としたスマートウォッチ専用アプリを開発していた実績から、Safe-W®はBLEによるネットワーク連携機能も搭載されています。例えば、BLEビーコンを発信する温湿度センサを設置するだけで、Safe-W®はその信号を受信し位置検出および環境データとして温湿度情報を自動的に記録します。その他にも、ウォッチ間のBLEビーコン通信や、ゲートウェイを介したクラウドへのデータ送信も可能です。
一般的なクラウドサービスと異なり、クラウドはあくまでWeb上でのデータ可視化のために用いられており、システムの根幹機能には影響しません。そのため、停電やサーバ停止などのトラブル時でも、システムは止まることなく動作し続けます。これらはすべて自社製であるため、BLEを用いた通信内容のカスタマイズや柔軟な機能追加などにも対応することができます。

集中や心身状態と関連する情報記録
- 集中切れのタイミングで切替行動を選択記録
- 行動毎のその後の集中時間ランキング
- 始業時のコンディション入力
スマートウォッチのタップ入力を活かし、インタラクティブな情報記録が可能です。集中が切れた際に、認知リソースの補充につながる小休止行動を促し、選択された行動を記録する機能を搭載しています。
たとえば、デスクワークでは長時間の座り作業に伴う腰痛リスクがありますが、従来のタイマーによる通知は作業の妨げとなり、煩わしく感じられることもありました。一方、集中切れのタイミングで適切な休息を促すことで、認知リソースの回復が期待でき、自然な動機付けにつながります。同様に、水分補給のタイミングや脳疲労のリスク低減にも寄与し、ユーザーの日常的な健康管理とパフォーマンス向上をサポートします。
入力を活かした機能は、様々な利用シーンに対しカスタマイズしたものを用意することができます。
導入手順
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お問合せ 01
ご要望の用途や利用者数、環境についてお知らせください
※内容に依っては対応できない場合もありますので、予めご了承ください -
オンラインミーティング 02
内容の詳細、最適なデバイス構成などを確認します
※ご希望に沿わない場合はキャンセル可能です -
試用 03
動作確認を行い、必要に応じて調整します
※デバイス数が多い場合は段階的に増やします -
カスタマイズ 04
ご試用された結果を受けて、必要な場合はカスタマイズ対応します
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導入 05
月単位、半年、1年の契約で導入いただけます
料金
デバイス代や通信が必要な場合の通信料は含まれません
サポートが必要な場合は別途内容に応じた費用が掛かります
オプション(カスタマイズ)機能は、追加料金が発生するものもあります
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Safe-W® スマートウォッチアプリ利用料(1台分)
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月単位、半年契約5,000円/月
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1年契約3,000円/月
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Safe-W® クラウド見える化(ゲートウェイアプリ利用料含む)
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スマートウォッチ10台まで10,000円/月
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スマートウォッチ30台まで20,000円/月
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スマートウォッチ30台超え要相談
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BLE心拍計とタブレットの組み合わせ
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構成によるため打ち合わせで確認します要相談
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